【博士就活】博士卒初年度+αの年収(日系製造業)

就活

私は博士(理学)の学位を取得してから企業に就職し、企業研究者として働いています。この記事では、日系製造業の博士卒の年収を私の具体例で紹介します。進路を考えている学生さんの参考になればと思います。

勤務先の種類

私が勤めている企業は下記のとおりです。

  • 年功序列型の日本企業
  • 製造業
  • 従業員数1万人以上
  • 売上高1兆円以上

いわゆる大企業であります。募集要項に記載されていた博士卒初任給は、27~30万円ほどでした。同じくらいの規模の日系製造業であれば、どこも似たり寄ったりではないでしょうか。

初年度年収

入社4月から1年後の3月までの税込み年収は、

約450万円

でした。ここに残業代は含まれていません。残業時間は所属部署の忙しさによって大きく変化するため、最も参考にしやすいよう、残業時間分を除外しました。したがって私の企業では、この値は博士卒初年度年収の下限であり、残業時間に比例してさらに積みあがることになります。

上記金額のざっくりとした内訳は、
月給30万円×12カ月+夏の賞与15万円+冬の賞与75万円
という感じです。初年度のため、夏の賞与が満額貰えないのが痛いですね。

2年目~3年目の年収

次年度からは、夏の賞与が満額支給、昇格による昇給、手当の増額が重なることで、100万円以上年収がアップしました。

税込み年収はずばり

700万円

でした。ここにも残業代は含まれていません。残業代分は別途支給です。

年収以外の面

年収として貰えるお金は上記のとおりですが、実際には福利厚生分がさらに貰えていることになります。例えば、
・寮や社宅に格安で入居
・食堂や物販の補助
・退職金の積み立て
などなど、金額に換算するとそこそこのプラスになるものです。

注意点

上記の額は博士だからといって特別差がついているわけではなく、修士卒で入社して4~6年目の方たちとほとんど差はありません。学歴によって特別な手当てがつくわけではないです。

まとめ

日系製造業を新卒で選択した時点で、ここから大きく逸脱した金額をもらうのは難しいようです。また、博士号取得者として特別に給料が上乗せされないことに、正直モヤモヤしてしまうのは私だけでしょうか。それこそ、高年収で有名な企業や博士号手当がある外資系企業を狙い撃ちすれば良かったのかもしれません。

ただしアカデミックに進んだ場合と比較すると、例えば学振PDが年額434万円で福利厚生無しであることを考えると、悪くはないとも思えてきます。

企業研究者の経済面がイメージできましたか。進路や就活で参考の一つとして役立てれば幸いです。

研究も私生活も充実させたい欲張り博士。某国公立大学で博士(Ph.D.)を取得したのち、大手メーカーに就職。大学院では日本学術振興会特別研究員の使命を全うするため、筆頭著者と共著の論文を合わせて10本を発表し、学会受賞6件を獲得。学生時代からお金の大切さに思考を巡らせ、FPや簿記、税金の勉強に励む。株で真面目に資産運用中。

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